甘いお酒でうがい (2019):映画短評
甘いお酒でうがい (2019)今の自分を受け入れ軽やかに自然体で生きる
出版社で契約社員として働く40代独身女性の、のほほんとした平凡な毎日を淡々と綴っていく。これといった野心もなければ差し迫った苦悩もなく、年下の若い同僚女性と楽しくお酒を飲んだり、さらにもっと年下の純朴青年と恋したり、それなりの出来事や戸惑いはあるものの、何か劇的な変化が起きるわけではない。その中で、日常のささやかな幸せに喜びを見出していく女性の心の機微が丹念に描かれるのだ。無理に力まず頑張らず、今の自分を受け入れ軽やかに自然体で生きていく。いや、現実はそんなに甘くないよという声もあって当然だが、しかしむしろ頑張りすぎて疲れた人ほど救われる映画なのではないかとも思う。
この短評にはネタバレを含んでいます