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彼女 (2021):映画短評

彼女 (2021)

2021年4月15日公開 142分

彼女

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

くれい響

スクリーンで観れないことが悔やまれる

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『あのこは貴族』に続く、“シスターフッド映画の新しい夜明け”で、堂々たる芝居を魅せる水原希子と、『窮鼠はチーズの夢を見る』に続き、男見る目ないキャラが絶妙なさとうほなみ。いろんな意味で、冒頭のインパクトに引きつけられるが、女性2人の逃避行という意味では、“和製『テルマ&ルイーズ』”の趣に近いロードムービー。近年はキラキラ系も手掛けているが、画力がハンパない中村珍の原作コミックに負けず劣らずの熱量を放つ廣木隆一監督。やはり『ヴァイブレータ』な“行きずりの愛”は十八番であり、『軽蔑』などとの共通項を見出していると、鈴木杏も登場。とにかくスクリーンで観れないことが悔やまれる。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

表現の是非もあるが、ここには映画らしい時間が流れていた

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

バイオレンスも、ラブシーンも、とにかく躊躇なし。主演2人の文字どおり、すべてをさらけ出す覚悟に頭が下がるが、本来、演技の仕事とはこういうものだろう。
観る人によって不愉快な描写、およびセリフ(用語)もあるが、作品として正当。そのあたりの賛否を考える意味でも必見。

設定から『テルマ&ルイーズ』が頭をよぎる。同作の明るさを生々しさに変換した印象か。

冒頭の長回しからアップへの切り替えの美しきタイミング、悲劇の予感とポップな音楽の化学反応、過去と現在のスムーズな行き来…と「映画的時間」の流れに身を委ねる快感があるので、「配信作品は倍速で、内容だけ把握」って人は、もったいないから観なくていいです。

この短評にはネタバレを含んでいます
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