カラミティ (2020):映画短評
カラミティ (2020)「女らしさ」の束縛から解放された少女の成長譚
西部開拓時代のアメリカ。怪我をした父親の代わりに一家の大黒柱となった自立心の強い少女が、「女の子は女の子らしく」という杓子定規な足枷を取り払い、逆境の中から「自分らしさ」を培っていく。かつてドリス・デイやジーン・アーサーも演じた実在の女性ガンマン、カラミティ・ジェーンの幼少期を描いたフレンチ・アニメーション。ひとりの人間として「女らしさ」の重圧と窮屈から解放されていくヒロインの成長譚であると同時に、「男らしさ」のもたらす害悪についてもきちんと考察されているところがポイント高い。輪郭線を使わずベタ塗りで描かれる作画デザインの美しさは、同監督の『ロング・ウェイ・ノース』以上の完成度だ。
この短評にはネタバレを含んでいます