ラブ&モンスターズ (2020):映画短評
ラブ&モンスターズ (2020)ライター2人の平均評価: 4
『モンハン』にガッカリした人におススメ!
ヘタレな主人公の成長物語や、マイケル・ルーカー演じるオヤジとも出会うロードムービーな展開など、完全に“モンスター版『ゾンビランド』”。とはいえ、グロいのにどこか愛嬌あるモンスター造形に至っては、さすがのオスカー候補モノで、しっかり日中のバトルを用意するなど、作り手のガチさが伝わってくる。しかも、主人公の相棒となるわんこの芝居は、パルム・ドッグ賞級だ。脚本が『劇場版 ドーラといっしょに大冒険』のニコラス・ストーラーというのも妙に納得で、ある意味『モンスターハンター』より『モンハン』な仕上がりという拾いモノ。直球すぎるタイトルで損している部分もあるが、続編への期待に★おまけ。
クリーチャーのキモさは期待どおり。ドラマは変化球部分に感動
まるで『メイズ・ランナー』の続きのように、ディラン・オブライエン、危険なサバイブが似合い過ぎ! しかし今回は、ちょい不器用なキャラで、その分、共感度も高くなる。冒険の先々での巨大クリーチャーたちは、その出現法から細部の粘着的グロさまで、サービス精神に溢れ、アカデミー賞視覚効果賞候補も納得の仕事。懐かしの怪獣のテイストもほんのり。
命がけで愛する人の元へ向かう物語は、途中の出会いに思わぬ感動が用意されていたりするし、終盤の主人公の心情にもひとひねりあったりして、二番煎じの展開は避けられたと感じる。ふざけた感じと、シリアスな試練のバランスも◎。そして何より、犬の演技が史上最高レベルなんである。