黄龍の村 (2021):映画短評
黄龍の村 (2021)ライター2人の平均評価: 3
スラッシャーホラーからの超展開
前作『ベイビーわるきゅーれ』で一皮剥けた感のある阪元裕吾監督が、これまた新たなステージへ。携帯も繋がらない不気味な村人たちに歓迎されるも、あまりに謎すぎる村の掟によって、とんでもない状況に追い込まれる。“日本版『ミッドサマー』”入ったスラッシャーホラーな流れから、ネタバレ厳禁の超展開に突入。殺し屋コンビのユルい日常からキレキレのアクションへの切り替えが面白かった前作同様、ガチすぎるアクション展開へ。その振り幅の大きさは、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』ばりともいえ、元格闘家の一ノ瀬ワタルの使い方といい、とにかく作り手の楽しさがスクリーンを通して伝わってくる。
サプライズ、またサプライズの連打が痛快
<注意:少しでもネタバレを知りたくない方は映画を見た後でお読みください>予告編冒頭にも「ネタバレ厳禁!」とあるように、決してネタバレしてはならない、サプライズまたサプライズの連打が魅力。といって、予告編で描かれているような、日本の山奥の小さな村版の『ウィッカーマン』ミーツ『テキサス・チェーンソー』的な世界はしっかり描かれており、ティーンホラー映画のお約束への目配せも抜かりないので、それを期待して見ても問題ない。そこにサプライズがどんどん投入されるのだが、むしろそれが痛快。阪元裕吾監督の映画はやはりちょっとユニークな笑いとアクション、そしてバイオレンスが魅力なのだと痛感させてくれて気持ちいい。