記憶の戦争 (2018):映画短評
記憶の戦争 (2018)負の歴史を直視するのは、より良い未来を築くため
ベトナム戦争時、韓国軍によって9000人余りの民間人が虐殺されたという。これは、参戦軍人の孫であるイギル・ボラ監督が、虐殺の生存者や遺族の証言を通じて半世紀前の真実を究明しつつ、韓国政府に対して謝罪と賠償を要求すべく立ち上がったベトナム女性「タンおばさん」と彼女を支援する韓国の市民団体を取材したドキュメンタリーだ。「戦争に多少の犠牲はつきもの」「韓国の名誉を貶めるつもりか」「被害者ぶるんじゃない」と憤慨する参戦軍人たちの言い分は、日本の歴史修正主義者と全く同じで呆れるばかりだが、その一方で自国の負の歴史から目を逸らすことなく、より良い未来のために語り継ごうとする韓国の若者たちに救われる。
この短評にはネタバレを含んでいます