ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海 (2016):映画短評
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海 (2016)独特な画作りで魅せるマフィア・ストーリー
「赤とんぼ」が流れるなか、にゃんこと戯れる浅野忠信に和んでいると、どんどん血の雨が降りまくる。上海マフィアだけに、その不気味さが物語を牽引するグォ・ヨウに、女優役だけに登場は華やかだが、おなじみの不幸地獄にハマっていくチャン・ツィイー。Twinsジリアン・チョンも、少ない出番ながら見せ場が用意。時系列を入り組ませたミステリーもありつつ、梅林茂による劇伴が流れると『花様年華』を、イー・チョンマンによる衣装デザインや美術セットは『お嬢さん』を起こさせる“ロマンチカ滅亡史(原題)”。劇中アート映画について語られるシーンでは、まるで監督が自身を擁護してるように見えたり、どこか奇妙な仕上がりだ。
この短評にはネタバレを含んでいます