無聲 The Silent Forest (2020):映画短評
無聲 The Silent Forest (2020)社会派ながら、ホラー演出が冴えまくる
ろう学校で実際に起きた性的暴行事件の映画化だけに、“台湾版『トガニ 幼き瞳の告発』”ともいわれているが、思春期の少年たちが持つ危うさを描いたという意味では『ザ・トライブ』のテイストも感じる、かなりの破壊力を秘めた青春映画。長編デビューとなるコー・チェンニエン監督は、ドラマ「暗闇は目を閉じて」で開花したサスペンス演出に加え、ホラーテイストを強めており、その不気味さは『返校 言葉が消えた日』どころではない。主人公がバスで目の当たりにするツカミの巧さや負の連鎖によって湧き上がる胸クソ悪さは最上級。そして、儚げなヒロインを演じるチェン・イェンフェイが、新人賞を総ナメにしたのも納得だ。
この短評にはネタバレを含んでいます