ポプラン:映画短評
ポプランライター2人の平均評価: 3
クスッと笑えてホッコリする不条理なチン騒動
ポプランとは男性の大事なイチモツのこと。そのポプランがある朝突然、家出(?)してしまったしまったことから、若き敏腕経営者の主人公は消えた「俺のポプラン」の行方を探して旅に出る。タイムリミットは6日間!だがヤツは神出鬼没なうえに秒速で空を飛ぶ!果たして、主人公は無事にポプランを取り戻せるのか!?という、実に人を食った不条理コメディ。それでいて、成功するため平気で人を踏みつけてきた主人公が、迷惑をかけた友人や家族のもとを訪ねることで、純粋に夢を追いかけていた頃の自分に立ち戻る…という人情ドラマの要素も兼ね備える。奇天烈なアイディアに比して話の流れはストレート。そこがまた好感を持てる。
『カメ止め』より海外受けしそうな予感も
成功と野望のために、大切な家族や仲間を捨てたイヤミな男が、自身のイチモツに捨てられるところから始まるロードムービー。時速200kmで飛び回るイチモツを追跡する荒唐無稽な設定から、下ネタ満載の不条理コメディかと思いきや、『メランコリック』での冴えなさ皆無な皆川暢二演じる主人公が自らの原点を振り返るという、ハートウォーミングな展開に舵を切っていく。そのため、ハリウッドでもリメイクされた『人生、ブラボー』などに通じるところもあり、今年フランス版リメイクが公開される『カメ止め』より海外受けしそうな予感も……。何より伏線回収など考えず、素直にノスタルジックに浸りながら楽しむのがベターだ。