こんにちは、私のお母さん (2021):映画短評
こんにちは、私のお母さん (2021)ライター2人の平均評価: 4
時を超えた母と娘の愛情に大号泣必至!
何をやってもうだつが上がらず、大好きな母親に心配ばかりかけている娘が、ひょんなことから自分が生まれる前の1981年へタイムスリップし、独身時代の母親と遭遇する。娘にとって母親は子供の頃から既に中年のオバサン。でも、目の前にいる母親は将来への希望に溢れる溌溂とした若い女性だ。私みたいな娘を産んで苦労するより、もっと幸せな人生があったんじゃないか。そう考えたヒロインは、母親に別の人生を選択させようと奔走する。これは全ての名もなき母親たちへのラブレターであり、同時に全てのダメな子供たちへの応援歌。貧しくも素朴な時代の中国と母親の青春が鮮やかに甦り、全ての辻褄が合うクライマックスは大号泣必至だ。
時空をかける親孝行
中国大陸で『唐人街探偵 東京MISSION』を超える興収を叩き出した、時空をかける親孝行。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』×『ALWAYS三丁目の夕日』感は否めないが、“80後”世代の監督が描く、1981年の改革開放時に起こったテレビ騒動にバレーボールブームなどの時事ねたのほか、近年の大陸で根強い人気の『欲望の街/古惑仔』やアンディ・ラウねたも繰り出し、ベタな笑いを誘う。今にも「R-1」に出そうな女芸人ジア・リンのイヤミのないキャラに加え、工場長のボンクラ息子役のシェン・トンとの絡みは破壊力高し。とはいえ、ストーリー展開の弱さは否めず、正直ラストのオチありきのような気がしないでもない。