エリザベス 女王陛下の微笑み (2021):映画短評
エリザベス 女王陛下の微笑み (2021)ユニークなキーワードで構成された個性的ドキュメンタリー
途中、エリザベス女王自身が「女王というものはひとつの概念です」と言うスピーチがあり、まさにそれを痛感させてくれる1作。ある人物を描くドキュメンタリーでありつつ、女王というものについても考えさせる。
映画の構成がユニークで、年代順ではなく、「マーム」「ローマ市民」など独自のキーワードごとに、ごく短い断片的な映像がコラージュされていく。その中には、ニュース映像や、公式な撮影を開始する前のちょっとした雑談風景だけでなく、映画のシーンも散りばめられている。ドキュメンタリー映画にありがちな、映像をある角度から読み取らせようと誘導するナレーションはなく、読み方は観客に委ねられている。
この短評にはネタバレを含んでいます