グリーンバレット (2022):映画短評
グリーンバレット (2022)ライター2人の平均評価: 4
低予算をセンスでカバーした殺し屋アクション
ミスマガジン2021の受賞者6名を主演に迎えた殺し屋アクション。怪しげな暗殺エージェントに雇われた新人の殺し屋女子たちが、伝説的な最強の殺し屋・国岡の指導のもとでブートキャンプに挑む。『最強殺し屋伝説国岡』の続編だが、とりあえず前作を見ていなくても全く問題なし。主人公の女の子たちがいずれもクセモノ揃いで、どこかお人好しな教官・国岡との嚙み合わなさが絶妙なユーモアを生んでおり、メンバーそれぞれの友情ドラマを含め、合宿所を舞台にした青春群像劇として手堅い仕上がりだ。それでいて、終盤のハードなサバイバル・アクションも本格的だし、低予算を逆手に取ったモキュメンタリー仕立ての演出も非常にセンスが良い。
緩急の演出の巧さは『べビわる』以上!
“日本版『ありふれた事件』”だった『最強殺し屋伝説国岡[完全版]』のスピンオフだが、未見でも十分楽しめる[合宿編]。主人公はあくまでもミスマガジン6人が演じる殺し屋候補生。ポンコツな彼女たちのインストラクターとなった国岡の心が揺れる恋愛バラエティになったかと思えば、勝率ゼロな相手との戦いに挑むハードアクションへと、その緩急の演出の巧さは『べイビーわるきゅーれ』以上。しかも、演技未経験に近いミスマガを起用した企画モノから、しっかり彼女たちのアイドル青春映画として昇華している点も素晴らしく、阪元裕吾監督の力量も爆上がり。おまけに、ただならぬ『エクスペンダブルズ』愛まで感じさせてくれる。