愛してる! (2022):映画短評
愛してる! (2022)ライター2人の平均評価: 4.5
面白すぎて悶絶!!どんでん返し
まずは髙嶋政宏、最高! これは昭和のプログラムピクチャー全域を含む映画史上の「本人役」の中で、有数の歴代ベストに入る快演&怪演ではないか? そしてミサ・ザ・キラーに扮する川瀬知佐子を始め、鳥之海凪紗、乙葉あいのかっこよさ。ryuchellも素敵。内容は地下ネタばっかりだが、大らかさと明るさが陰湿さを招かない。
熟練のフェイクドキュメンタリー形式といい(劇中カメラマン役は根矢涼香)、白石晃士監督のマイペースな特殊職人作家ぶりが際立つが、結果的に令和型ロマンポルノという難題に対する爽やかな回答例となった。「変態」イデオロギーの主張も結構時代に刺さる本気の感動を呼ぶ。共同脚本の谷口恒平も良い仕事!
みんな変態でみんないい!
女子プロレスの夢破れて地下アイドルへ転身した主人公ミサ・ザ・キラーが、ひょんなことからSMクラブにスカウトされて女王様となるべく猛特訓を受ける。ロマンポルノ50周年企画の第2弾にして最大の異色作。モキュメンタリー仕立てで描かれる「迷える女性」の自由への覚醒と解放のドラマは、エロさよりも面白さ、情念よりも爽快感がことさら際立つ。人間なんてみんな一皮むけば変態。それぞれ違った変態がある。恥ずかしがらずにお互いの変態を認め合おう!みんな変態でみんないいじゃないか!という多様性賛歌と呼ぶべきか。SMクラブのマダムにryuchell、変態俳優・高嶋政宏にご本人というキャスティングの妙も楽しい。