スランバーランド:映画短評
スランバーランドライター2人の平均評価: 3
ジェイソン・モモアが楽しそうで何より
宮崎駿や高畑勲もアニメ化に携わったウィンザー・マッケイの児童向けコミック『夢の国のリトル・ニモ』をネットフリックスで映画化。父を失った11歳の少女・ニモがジェイソン・モモア演じる無法者フリップとともに夢の世界を冒険するのだが、ちょっと理屈が勝ちすぎてテンポが損なわれているように感じた。もっと驚くようなビジュアルや胸躍る冒険を見たかった人も多いのでは。実は途中から少女じゃなくてクリス・オダウド演じる心を閉ざした叔父の物語になっているのだが、だとするとストーリーの描き込みが不足している。主演の子役マーロウ・バークリーは名女優の貫禄。ジェイソン・モモアは非常に楽しそうに演じていて何より。
役者たちの相性がばっちり
主演の子役マーロウ・バークリーは今作で映画デビューを果たすとのことだが、とてもそうとは信じられない。ほとんどのシーンに登場し、グリーンスクリーンをバックにしたアクションからドラマチックなシーンまでしっかりとこなしている。これからが楽しみな若い女優だ。豪快で明るい地のパーソナリティをより誇張してちょっとジャック・スパロウもミックスしたようなジェイソン・モモアのキャラクターも楽しいし、クリス・オドウドは映画に感動を持ち込む。しかし、見どころであるはずの夢のシークエンスには、どうも既視感が。お金がかかっているわりにオリジナリティを感じられないのがやや残念。