泣いたり笑ったり (2019):映画短評
泣いたり笑ったり (2019)オジサン同士の恋路が家族に波乱を巻き起こす!
リッチなインテリの自由人トニと、無邪気で素朴な漁師カルロ。このまるで正反対なオジサンたちが同性婚を決意したところ、身勝手な父親に振り回されてきたトニの娘と同性愛嫌いなカルロの息子が手を組んで妨害しようとする。イタリア社会に今も根強い家父長制やマチズモ、ホモフォビアなどを痛烈に風刺しつつ、リベラルだがスノッブな上流階級と保守的だが人情味のある労働者階級の価値観の違いを浮き彫りにしたドタバタ・コメディ。主人公たちの馴れ初めやロマンスにいまひとつ説得力を欠く気もするが、社会の矛盾や分断に迫る切り口としては独創的で面白く、歩み寄りと相互理解の重要性を説くストーリーにも暖かみがある。
この短評にはネタバレを含んでいます