ハッピーニューイヤー (2021):映画短評
ハッピーニューイヤー (2021)ライター3人の平均評価: 3.3
今年のホリデーシーズン映画はこれがイチオシ!
クリスマス・イヴから新年にかけてのホリデー・シーズン。ソウル市内のラグジュアリー・ホテルを舞台に、7組14名の恋愛や友情を巡るささやかな「ラブ・ストーリー」の行方が描かれる。さながら韓国版『ラブ・アクチュアリー』といった風情で、どのエピソードもベタと言えばベタな話ばかりなのだが、しかしブラックなユーモアをほど良く効かせた、まるで上質な英国コメディのように粋でお洒落なストーリーテリング術のおかげもあって、それはそれはロマンティックでウキウキするような作品に仕上がっている。意表を突くクォン・サンウのカメオ出演にも要注目。年末年始くらいハッピーな気分に浸りたいという方にはおススメの一本だ。
ハン・ジミンの魅力がスクリーンで爆発!
突然すぎる男友だちの結婚に慌てふためく『ベスト・フレンズ・ウェディング』なホテルマネージャーを中心に、男女14人が織りなす“韓国版『ラブ・アクチュアリー』×『有頂天ホテル』”。どちらかといえば、キラキラした韓ドラエピソードが綴られていく中、なぜか映画だとハジけた役が少なかったハン・ジミンの魅力が爆発し、ユナ (少女時代)の使い方に関しては、さすがの一言。とりあえず、劇中に「カノン」を流してくれるものの、若干のファンタジー要素以外はクァク・ジェヨン監督作らしさは薄め。とはいえ、138分の長尺を感じさせないこともあり、職人としての才能を再確認できる一作に仕上がっている。
クリスマスカードのようなキラキラな風景がたっぷり
クリスマス時期を舞台にさまざまな愛を描く群像ドラマ、という形式は2003年の英国映画『ラブ・アクチュアリー』と共通だが、もちろん出来事は同じではなく、両者を比較すると社会環境や国民性の違いが見えてきそうなところも面白い。
クリスマス時期に幸福な気分に浸りたいと思う観客のために作られて、その気持ちにしっかり応えてくれるエンターテインメントな1作。舞台が高級ホテルなので、キラキラ感満載のまるでクリスマスカードのような華やかな風景がたっぷり。キャストは人気者揃いで『ジョゼ』のハン・ジミン、『ミッドナイト・ランナー』のカン・ハヌル、TV『地獄が呼んでいる』のウォン・ジナらが出演。