カンフースタントマン 龍虎武師 (2021):映画短評
カンフースタントマン 龍虎武師 (2021)ライター2人の平均評価: 3.5
「NO」と言わない香港スタントマン
長年、香港映画を支えた陰の立役者の功績を讃える汗と涙の激闘史。中国大陸の映画評論家が監督していることもあり、妙に詳しい香港映画史が語られつつ、ブルース・リー登場以降の名場面の裏話を、当人や関係者が振り返る。ジャッキー・チェン全盛期の1980年代、決して「NO」と言わない“最も危険な時代”を経て、香港でアクション映画が撮られなくなった近年の現実と向き合い、「中国には優れた武術家はいるが、スターはいない」というガチな意見も引き出す。ほかにも、サッカー選手からスタントマンに転身したエリック・ツァンの「サッカーと同じく、指導者になれるのは一部」という刺さる言葉やエピソードも多し。
あの頃に愛を込めて
アクション映画史に大きな足跡を残した香港カンフーアクション。豊富なアーカイブ映像とビッグネームへのインタビューで構成された一つの映像資料。今秋に公開された『七人樂隊』とセットで楽しみたい映画ですね。こちらはフィクションではありましたがサモ・ハンの映画なんかそのものずばりだということがこのドキュメンタリーを見ていると分かります。今もバリバリにやっている人もいれば第一線からは身を引いて裏方に回っているかつてのカンフースターも多数登場。ブルース・リーからの香港カンフーアクションを見てきた人はニヤニヤが止まらないかもしれません。