ゲット・クレイジー (1983):映画短評
ゲット・クレイジー (1983)弛緩ギャグに乗って鳴る80年代のロック
同監督の『ロックンロール・ハイスクール』に比べると弛緩した感が否めないのは、主人公の熱意がとらえきれず、話の方向性が不安定だからか。それでもこのユルいリズムには憎めないものがある。
主役はやはり音楽。一度ステージが始まれば、そのパフォーマンスは目を引く。R&B、ハードコアパンク、ロックなど多彩な音楽が鳴らされ、どれもけっこう本格的。演技派M・マクドウェルのロックスターのなりきりっぷりも楽しい。
硬派ロック詩人ルー・リードは出演を快諾した後、コメディだと思わなかったと激怒したというが、彼のラストの楽曲で映画が締まるのも事実。スパークスの未サブスク化の主題歌も含め、ロックファンは注目。
この短評にはネタバレを含んでいます