オオカミ狩り (2022):映画短評
オオカミ狩り (2022)ライター2人の平均評価: 4
大量の血しぶきと徹底した人体破壊にアドレナリン噴出!?
こりゃまた凄まじい映画である。マニラで拘束された凶悪犯たちを乗せ、韓国の釜山へ向かう貨物船。警備担当の刑事たちに紛れたスパイによって凶悪犯集団が解放され、血で血を洗う暴動が繰り広げられる中、船の奥底で眠っていた怪物が覚醒してしまう。犯罪バイオレンスと血みどろホラーを融合させたエクストリーム・アクション。とにかく飛び散る血しぶきの多さと徹底した人体破壊描写に圧倒される。しかも、えっ、この人も!?待って待って、この人まで!?と、誰彼構わず片っ端から八つ裂きにされていく容赦のなさ!近年人気を集めているアジア系スプラッター映画の中でも群を抜く兇暴っぷりに痺れる。これぞまさに怪作。
ゼロ年代の三池崇史監督作を思い起こさせる暴走活劇
凶悪犯VS.警察という“沈黙の貨物船”なバイオレンス・アクションから、チェ・グィファがほぼ嶋田久作化している“怪人”投入によって『プレデター』×『ザ・グリード』なホラー状態に陥る。呆気にとられる主人公のバトンリレーなど、十人ほどの主要キャストによる先の読めないサバイバル・バトルは、「イカゲーム」以降の新しい流れを感じさせる。また、さまざまな武器を使ったアクション・シークエンスなど、随所にキム・ホンソン監督のトゥーマッチなエンタメ精神が爆発しており、『哭悲』より血糊の量は多め(なのにR15+指定止まり)。それが観客の爽快感に繋がっていくあたりは、ゼロ年代の三池崇史監督作を思い起こさせる。