Shirley シャーリイ (2019):映画短評
Shirley シャーリイ (2019)![Shirley シャーリイ](https://img.cinematoday.jp/a/T0029684/_size_640x/_v_1717398567/main.jpg)
シャーリー・ジャクスン自身を、彼女の小説のタッチで描く
「たたり」「ずっとお城で暮らしている」の小説家シャーリー・ジャクスン自身を題材に、彼女の小説のような雰囲気の映画を撮る-------この監督のコンセプトが明確。普通のようでいて、恐ろしい。この人物の複雑さ、危うさ、面倒臭さが、彼女の家に同居することになった女性の視点から暴かれていく。エリザベス・モスは、こういう何かの熱量が過多な人物の役がよく似合う。
撮影はノルウェー出身、『イノセンツ』『最後にして最初の人類』のシュトゥルラ・ブラント・グロヴレン。暗い室内の多い画面は、色調も光線も質感も常に写実よりも幻想に傾き、これがシャーリー・ジャクスンの世界であることを強調し続ける。
この短評にはネタバレを含んでいます