ブルーピリオド (2024):映画短評
ブルーピリオド (2024)![ブルーピリオド](https://img.cinematoday.jp/a/T0029802/_size_640x/_v_1720579331/main.jpg)
ライター2人の平均評価: 4.5
キャストが本当にみんな輝いていた!
学校の廊下を歩く八虎(眞栄田郷敦)の前に、まるで天から降りてきたようにユカちゃん(高橋文哉)が姿を現わす――その瞬間の鮮烈さ! 新進スターたちの魅力を存分に活かしたメジャー系映画への変換として、これは最適解な気がする。コミックスでいうと6巻まで、東京藝大を目指す“受験編”に絞り、表現論を絡めた自己実現という原作漫画のエッセンスを平易に整理/翻案した。
劇中に登場する絵画の説得力を含め、色々とハードルの高い企画のはずだが、スタッフワークが兎に角丁寧。原作へのエントリーモデルとしても理想型では。大人側キャストでは漫画から飛び出してきたような大葉先生=江口のりこに吃驚。会田誠先生の登場等にも注目!
青い熱さが最高
情熱を武器に東大より合格が難しいと言われる東京藝術大学受験に挑む高校生の姿を爽やかに描き出す青春劇。主人公は時に勢いに任せ、時に戦略的に課題に挑みます。絵を描く姿は、ともすれば”静”の画になりがちですが、本作ではとてもスピーディーでパワフルです。映画前半のかなりの時間を使って何も抱いていない主人公の姿を描くことで、想いが芽生え、燃え上がる中盤以降がとても印象的です。青春映画の傑作がまた一本出てきましたね。演者で言えば主役の眞栄田郷敦の静と動の演技が素晴らしく、また対になる存在と言える高橋文哉も大健闘でした。