ヴェノム:ザ・ラストダンス (2024):映画短評
ヴェノム:ザ・ラストダンス (2024)ライター3人の平均評価: 3.7
今度のエディとヴェノムは文字通りの絶体絶命!
前作のクライマックスを受け、警察からマリガン刑事殺しの容疑者と誤解されて追われる身となったエディとヴェノム。そんな彼らを米軍施設・エリア51の特殊部隊も捕獲せんと狙い、さらにはシンビオートの創造主である邪神ヌルと、その手先である怪物ゼノファージ軍団までもが襲い来る。まさに絶体絶命の危機的状況の中で、目まぐるしく展開していくストーリーは息つく暇もなし。それゆえ、これまで以上にライトな印象を受けるかもしれない。一方、エディとヴェノムのユーモラスな凸凹コンビぶりは絶好調。今回がシリーズ最終章とのことだが、スピンオフ等を期待させるような要素も散りばめられているので見逃せない。
ヴェノムならではの魅力が極まる
このシリーズの魅力の真髄は、ヴェノムの不気味なルックスと愛らしい性格を合体させたキャラ設定にあり。それを際立たせるのが、ヴェノムと宿主エディの掛け合い。それを熟知した製作陣が、そこに思いっきりフォーカスしたのが三部作最終作となる本作。
途中、ギャグ方向に振りすぎではないかと思わせる瞬間も一度ではないが、ヴェノムならではの姿の変形ぶり、何かに寄生したときの変貌のユニークさ、その形だからこその独特の動きで魅了するシーンも満載で、それがエンドクレジットでもたっぷり描かれる。
マーベル映画らしく、エンドクレジットがすべて終わった後にも嬉しいオマケがついているので、そこも見逃せない。
最後のダンスも”らしく”
何かと苦戦が続くSSUですが別格なのがこの”ヴェノムシリーズ”。肝はやはりトム・ハーディを主演に引っ張って来れたことだと思います。本人もノリノリの様でスタッフとしても名前を連ねています。そして本作はこれまでシリーズを牽引し続け来たケリー・マーセルが遂に監督を務めたのも注目。映画はこれまで以上にエディ・ブロックとヴェノムの二人の絆が大きな注目点になっていて、トム・ハーディの一人芝居(一人二役芝居)が多くなっています。これがやれるのもトム・ハーディの主役力の強さかと。3部作通して2時間弱という上映時間も好印象。