美食家ダリのレストラン (2022):映画短評
美食家ダリのレストラン (2022)ライター2人の平均評価: 3.5
監督の情熱の対象を組み合わせた楽しませてくれる映画
監督のダビド・プジョルは過去に、エル・ブジについてと、ダリについてのドキュメンタリーを作った人。役者を使った初の映画がこれだったというのは、大いに納得。この手の映画で料理を美味しそうに撮るのは大前提だが、これは大合格。出てくる料理は芸術的かつ個性的で、つい手を伸ばしたくなってしまった。独裁政治の終わりの時期にあった1974年のスペインの状況を入れつつも、全体的にコミカルで優しさのあるトーンと、魅力的なキャラクターで楽しませてくれる。この分野の新たな個人的お気に入りに加わった。これが好きだった人は、アメリカで大絶賛の「一流シェフのファミリーレストラン」(日本はDisney+)も必見!
ダリが大好きなオヤジの推し活も楽しい
オヤジの推し活がコミカルに描かれるのも楽しい。主人公は、実在の三ツ星レストランの名シェフ、フェラン・アドリアに発想を得た凄腕の料理人なのだが、彼を雇う海辺の小さなレストランのオーナーが、近所に住む画家ダリの推し活に夢中で、このオーナーの行動が何かと気になる。彼がダリを大好きすぎて、店内はダリの作品を真似たオブジェでいっぱい。なんとかダリに自分の店に来てもらおうと、あの手この手を使うのだが、うまくいかずに絶望することもある。果たしてダリは店にやってくるのか。
舞台は1974年のスペインの海辺の小さな町。輝く太陽、青い海、カラフルな水着の明るく陽気な空気が夏休み気分にぴったり。