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邪悪なるもの (2023):映画短評

邪悪なるもの (2023)

2025年1月31日公開 100分

邪悪なるもの
(C) 2023 Digital Store LLC
平沢 薫

南米アルゼンチン産の土着ホラーは味が濃い

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 人里離れた村を舞台に、その土地ならではの風習や信仰をモチーフにした土着ホラーは多々あるが、本作はその舞台が南米アルゼンチンの片田舎で、土の匂いがする雰囲気が妙味。羊たちを飼育し、言い伝えを信じる人々の暮らす土地で、"悪魔憑き"と思われる事態が起きて、それが伝染していくという、土着ホラーと感染ホラーの合わせ技。そこに主人公の、離婚した妻から子供たちを取り戻したいという、秘めていた強い欲望が絡んで、現代的な心理サスペンスにもなっている。

 監督はアルゼンチン出身、『テリファイド』のデミアン・ルグナ。今回も子供の用い方が容赦なく、主人公の幼い息子や、子供たちが登場するシーンが強烈な印象を残す。

この短評にはネタバレを含んでいます
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