コンフィデンシャル:国際共助捜査 (2022):映画短評
コンフィデンシャル:国際共助捜査 (2022)ライター3人の平均評価: 4
「そこまでやるかあ〜!」が韓国映画の美点なり
韓国と北朝鮮の凸凹バディに今回FBI(米連邦捜査局)捜査官も加わった――荒唐無稽を倍加させた「続編」としてワザありの一篇だ。北のエリート特殊捜査員役、『愛の不時着』(19)のヒョンビンの“スター映画”にしてチーム戦を際立たせた、しっかりとしたプログラムピクチャーでもある。
もはや韓国映画においては、行き届いた、至れり尽くせりのアクションシーンというのはスタンダード。それをいかに物語へ嵌め込んでみせるかが肝要なのだが、少々の「無理・無茶」は役者陣が補填してゆく(少女時代のイム・ユナも!)。韓国の名バイプレイヤー、ユ・ヘジンをスローモーションで捉え、笑いへと転化させる手法、ベタだが大好きです。
南北の境界線を越えたバディアクション、待望の続編!
北朝鮮の若くてイケメンなエリート捜査官と、韓国のちょっと冴えない落ちこぼれ中年刑事の凸凹コンビが大活躍するバディアクション『コンフィデンシャル/共助』の続編。今回はアメリカから熱血FBI捜査官が加わり、脱北した国際犯罪組織のボスを三つ巴で追うことになる。各国の政治的な思惑が複雑に絡んだ、一筋縄ではいかない共助捜査は相変わらずスリリング。結局、それぞれクズな上司に振り回された主人公たちが、「ったく、やってらんねーよ」とばかりに一致団結していく過程にワクワクさせられる。前作よりもさらにコメディ要素が増した印象だが、その一方でハードなアクションとバイオレンスもしっかり健在。安定の面白さである。
抜け感増しも大歓迎!
ヒット作の続編らしい余裕や軽みが良く出た好編。今回は南北に米が加わり、前作のバディムービーを超えてトリオ編成のチーム戦になる。ユ・ヘジンは自分達をアベンジャーズに擬えるが、むしろ連想させるのは『ミッション:インポッシブル』。ヒョンビンがトム・クルーズだとすると、ダニエル・ヘニーとのWイケメンにユ・ヘジンがサイモン・ペッグ的なお笑い担当という図式。
笑いの点で今回ハネてるのが少女時代のユナ。悪役は『犯罪都市』(『コンフィデンシャル』の1作目と同じ2017年)等で強い印象を残したチン・ソンギュ。監督は前作から交代したが本格都市型アクションの強度も問題なく、韓国映画界のシステムの盤石ぶりを感じる。