コロニア (2015):映画短評
コロニア (2015)チリ軍事独裁政権の知られざる真実を暴くサスペンス
ピノチェト大統領による軍事独裁政権下のチリでは左翼系市民の大弾圧が行われ、およそ3万人(政府の公式発表だと3000人)が処刑および虐殺、数十万人が強制収容所送りになったとされているが、本作はその陰で暗躍した元ナチのカルト教祖が率いる宗教施設“コロニア”の実態を描く。
コロニアは実在した施設だが、そこから決死の脱出を試みるドイツ人カップルの物語はフィクション。チリ・クーデターやピノチェト政権の暗部を描いた映画は数多いが、コロニアを題材にした作品は珍しく、そういう意味では非常に興味深い。
ただ、ストーリー展開はご都合主義が目立つし、主人公2人の会話が全て英語というのもリアリズムを削ぐ。
この短評にはネタバレを含んでいます