GARMWARS ガルム・ウォーズ (2014):映画短評
GARMWARS ガルム・ウォーズ (2014)押井守監督の「G.R.M.」構想が遂に結実
身体から切り離された情報と記憶を巡る物語は、川井憲次の女声詠唱的な音楽と相まって、この監督の「イノセンス」に呼応しているようにも見える。そして細部の豊穣さ。空中を行く巨大な戦艦や兵士の単独飛行装置の、昆虫や鳥類を連想させる有機的デザイン。造形物や衣類の表面の細密な浮き彫り。デザインや各種名称が、ケルト文化に繋がっていることには、物語上の意味がある。個人的には、押井守監督の実写映画にお気に入り個性派俳優2人、「エイリアン」のランス・ヘンリクセンと「ストレイン」のケヴィン・デュランドが出演しているというだけで見ないわけにはいかない。彼らが期待通りにその特徴ある風貌に相応しい人物を演じている。
この短評にはネタバレを含んでいます