17歳 (2013):映画短評
17歳 (2013)思春期の性はむき出しだからこそ痛々しい
思春期の性というのはとかく美化されがちだが、しかしそれは目覚めたての欲望だからこそ露骨に動物的であり、少年や少女はその衝動に突き動かされながら渦巻く理性と本能の狭間でやがて自我を形成する。本作の主人公である17歳の少女イザベルのように。
まるで、この新たな欲望の正体を確かめるかのごとく、危険な性の冒険を繰り返すイザベル。本作はそんな彼女の時に痛々しい姿を四季の移ろいと共に見つめていく。季節ごとに流れるフランソワーズ・アルディの楽曲が彼女の心情を代弁し、10代のセックスを扱った大胆な描写に詩的な叙情を漂わせる。娘の性衝動とどう向き合うべきか悩む母親の戸惑いを率直に描いている点もいい。
この短評にはネタバレを含んでいます