騒音 (2015):映画短評
騒音 (2015)ライター2人の平均評価: 3
「クレしん」を愛する監督ならではのB級コメディ
「コサキン」リスナー&旗揚げ時から「カンコンキンシアター」に通う者としては大満足とは言いにくいが、愛すべきB級映画に仕上がっている。予想以上に豪華キャストを揃え(とはいえ、やはりルー大柴は不在)、世のオヤジにエールを送る展開や、子供にも分かりやすいギャグ(特にクライマックスの攻撃)を連発するあたりは、いかにも「クレヨンしんちゃん」を愛する監督ならでは。だが、コントのようなテンポを生んでいたゲストキャラの登場が落ち着いた中盤以降の失速感は否めない。そんななか、映画版「カンコンキン」にしなかったことや、あえてタイトルを『騒音』にするあたり、関根監督の映画に対するこだわりも感じさせてくれる。
ホノボノとしたユルさが憎めない関根勤初監督作
関根勤の初監督作ということで、タモリや明石家さんまを含む豪華キャストが揃ったものの、映画そのものは超激安(笑)。演出の素人っぽさも否めないが、しかし同時にどこか憎めない作品でもある。
地底人の襲来に対する最終兵器が地味なオッサン軍団という皮肉。温水洋一をはじめとする情けなさ全開な中年男たちを面白がりつつも、決してコケにはしないところが関根勤らしい優しさ。家庭や会社で肩身の狭い思いをしている、日本全国のフツーのオジサンたちへ対する彼なりのエールと言えよう。
ベタなギャグやパロディの合間には、意外に鋭い社会風刺も織り交ぜられる。作品全体からにじみ出るホノボノとしたユルさは嫌いじゃない。