革命の子どもたち (2011):映画短評
革命の子どもたち (2011)「親はなくとも子は育つ」のか?
連合赤軍の重信房子、ドイツ赤軍のウルリケ・マインホフ(『秋のドイツ』『バーダー・マインホフ 理想の果てに』も参照)。ふたりの女性活動家の娘の目を通して革命の時代を追ったドキュメンタリだ。パレスチナ時代もある程度生活を共にし、愛情も思想も与えられた重信の娘メイには母親への尊敬と共感の念が伺える。だが実質的に母に捨てられたウルリケの娘(双子だというが一人しか出てこない)にそんな感情はまったくない。なんと周りの子と一緒に“泥巡”みたいな「バーダー・マインホフ遊び」をしていたというくらいだから。そんな彼女の心象を表すようにヴェンダース『都会のアリス』が不意に挿入されるのがやたら印象的だ。
この短評にはネタバレを含んでいます