トワイライト ささらさや (2014):映画短評
トワイライト ささらさや (2014)深川栄洋ならではの役者演出力はうかがえるが。
夫・大泉洋を失い、幼子を抱えて孤軍奮闘する新垣結衣の話であったはずなのに、いつしか大泉と父とのセンチメンタルな話にシフトしてしまう整合感のなさが印象を弱くしてるのは事実。でもこの映画の愉しみは、憑依霊と化した大泉の落語家口調を、老いてなお色気ある深川栄洋好みのベテラン俳優……小松政夫&富司純子が嬉々として演じてしまうこと! 超天然バカ役・中村蒼や子役・寺田心のちょいと驚くべき演技も出色だ。彼らを相手に丁丁発止の台詞芝居を見せる新垣も『リーガルハイ』以後の成長を感じさせて、いい。被写界深度を浅くして風景をミニチュアのように見せる技法も天界からの視座を思わせてユニークなんだけどな。
この短評にはネタバレを含んでいます