エイプリルフールズ (2015):映画短評
エイプリルフールズ (2015)ライター2人の平均評価: 2
いっそ狂騒に徹したほうが良かったかも。
『リーガルハイ』『デート/恋とはどんなものかしら』で、スクリューボール・コメディを日本のTVで展開し大成功した古沢と石川。といって、あのテイストを期待するとちょっと拍子抜け。群像劇として各々のピースがしっかりと埋まらないのはいいといて、そのすべてのシチュエイションがリアリティを欠き、かといって馬鹿馬鹿しいほどの「虚構=ウソ」にも徹せない中途半端さが目立つのだ(特に見過せないのは冒頭の、ついてはいけない嘘)。しかし、明らかに目がおかしい戸田恵梨香や、常から熱度の高い芝居を200%増しする滝藤賢一、テーマ的な核となるりりィ等々、“豪華キャスト27人”はムダ遣い含め各々の役割を果たしている。
この映画の存在こそ「嘘」であってほしい
「リーガルハイ」に続き、前クール放送の「デート」でも見事なコンビネーションを発揮した古沢良太&石川淳一コンビにして、まさかの笑いも泣きもテンションも、中途半端の空回りが続く。『キサラギ』以来のオリジナル脚本となる古沢だが、軸となるレストラン籠城のエピソードは『スペース・トラベラーズ』を薄めたユルさで、ほかのエピソードとの絡みも強引かつ退屈。窪田正孝を筆頭に、総勢27人のキャストは犯罪級のムダ遣いで、なぜこうなったというより、この映画の存在が「嘘」であってほしいと思うほどの事故物件。同じフジテレビ制作の三谷作品や去年の『ジャッジ!』の足元にも及ばず、酷いときの福田雄一監督作よりタチが悪いです。