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皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇 (2013):映画短評

皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇 (2013)

2015年4月11日公開 103分

皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇
(C) Narco Cultura.LLC
森 直人

まさに暗黒のメキシカン・ドリーム

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

『メキシコ 地獄の抗争』や『ボーダータウン 報道されない殺人者』などで描かれた暗黒を剥き出しで映したドキュメンタリー。これを観た我々の率直な感想は「あっ、本当に現実なんだ」との素朴な驚きではないか。しかも『アクト・オブ・キリング』にも通じる滑稽さを孕んでおり、フィクションの内臓が掻き出されたような衝撃がある。

ナルコ・コリードなど現地のポップ・カルチャーに着目した視座が鋭い。麻薬ギャングが究極の勝ち組としてティーンの憧れを集める世界は、もはや少年マンガ的な「悪の帝国」。この状況を憂うジャーナリストはいても、救うヒーローは出てこない。現実VS想像力の追っかけっこは一気に次元上昇してしまった。

この短評にはネタバレを含んでいます
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