植物図鑑 運命の恋、ひろいました (2016):映画短評
植物図鑑 運命の恋、ひろいました (2016)ライター2人の平均評価: 2
その破壊力、『恋ナポ』級。
抜群の演技力で、主演を喰ってきた高畑充希の映画初主演作だが、「きみはペット」のパクリにしか見えない出会いから不穏な空気が漂う。ただ、高畑にとって26歳の寂しいOLはお手のもので、今井華をストーキングするシーンはホラーが得意な三木康一郎監督の演出も相まって狂気も感じる。だが、いかんせん演技力を笑顔でカバーする岩ちゃんとのバランスがおかしく、岩ちゃん演じる樹の行動もおかしい。そして、恐ろしく時代錯誤な“秘密”に驚愕。作り手がフッ切らないと失敗するタイプの原作だけに、演出の照れも足を引っ張り、MAKIDAIパイセン主演の『恋するナポリタン』級の破壊力を持つ一本になってしまった。
高畑充希の演技力にだいぶ救われています
平凡で退屈な毎日を送る妙齢のOLが、たまたま近所で腹をすかせて倒れている若い男を拾って家に連れ帰ったところ、これが料理も家計のやりくりも上手で笑顔も爽やかな理想のイケメンだった!という、白馬に乗った王子様を夢見る寂しんぼ乙女の妄想みたいなお話。
あんた警戒心なさすぎ!と突っ込みたくなるとこだが、まあ、あくまでも妄想なので仕方あるまい。出来過ぎた設定のオンパレードではあるものの、自己主張することなく流されるままに生きてきたフツーの女の子の成長を演じる高畑充希は秀逸。彼女の演技力にだいぶ救われている。セリフ棒読みの岩田剛典に大した演技をさせず、ほぼ笑顔で押し通させたのも、ある意味で正解(笑)。