ラザロ・エフェクト (2015):映画短評
ラザロ・エフェクト (2015)ライター2人の平均評価: 2.5
オリヴィアに睨まれながら
『パラノーマル・アクティビティ』でひと山当てたジェイソン・ブラム製作だけに、“ラザロ計画”ネタ一発で押し切る。『ペット・セメタリー』など、神の領域に足を踏み入れた代償というべきド定番な展開なうえ、『フラットライナーズ』的な青春ドラマになるわけでもなく、研究員の一人を演じる若きクイックシルバーこと、エヴァン・ピーターズの見せ場も微妙。ただ、出世作『トロン:レガシー』以来、その美貌を生かした役に恵まれなかった感のあるオリヴィア・ワイルドの存在感は違う。モンスターと化した彼女の鋭い眼光は格別だ。それにしても、『二郎は鮨の夢を見る』の監督だけに、研究室で寿司を食するシーンはサービスだったのか?
静かな映像にヒロインのクールな美貌が映える
夜。暗い研究室。手術台に白い布が被せられていて、その布の下には、死体なのか、死から蘇った別の何かなのか分からない、女性の身体の形をしたものが横たえられている。その手術台の上で、一匹の犬が、それをじっと見下ろしている。そんなふうに、画面は静かだが、その底から得体の知れない恐怖が忍び寄ってくる、という場面が何度も出現する。全体に暗いブルートーンの静かで冷たい感触の映像に、オリヴィア・ワイルドのクールな美貌がよく似合う。
バイオSFホラーであるだけでなく、心理サスペンス色が濃厚。そして"身体にとって意識とは何か"という、古くて新しい大きなテーマが内包されている。