彼の見つめる先に (2014):映画短評
彼の見つめる先に (2014)「普通」のモデルチェンジを告げる数年前の秀作
’14年のブラジル映画。劇中で使用される、ベル・アンド・セバスチャンの「There’s Too Much Love」(00年の名盤『わたしのなかの悪魔』収録)と本編映像をMV風に仕立てた動画をYouTubeで以前観た事あったが、その作品が日本公開。実に爽やかな青春映画。盲目の男子高校生が、同性の転校生に寄せる未分化な恋愛感情。それをニュートラルに描いた点で『ムーンライト』の前倒しに位置する一本とも言える。
奇しくも日本ではPFFスカラシップ『サイモン&タダタカシ』(3/24公開)が、王道の童貞感覚で同様のモチーフを扱っている。気負わぬサラッとしたタッチに時代の緩やかな変化が宿っている印象だ。
この短評にはネタバレを含んでいます