それだけが、僕の世界 (2018):映画短評
それだけが、僕の世界 (2018)ありがちな設定なのに感動させてくれる脚本力にうっとり!
長男を置いてDV夫から逃げ出したことを悔い続けてきた老女が再会したのは、心の奥に怒りを抱えた息子。しかもサヴァン症候群の次男や富豪令嬢ピアニストが絡むという設定時代は韓流にありがち。でも登場人物の心の動きを丁寧に描いた脚本なので、さまざまな場面で胸に熱いものがこみ上げる。家族とは? 人を思いやることとは? 見る側に自然に考えさせてくれる。主役イ・ビョンホンもいつものかっこよさを消して、恨みつらみで心が凝り固まったダメ男になりきっている。しかも母親や弟と時間を過ごすことで徐々に心を緩める過程を自然に演じていて、ますます演技が上達したと思わせた。
この短評にはネタバレを含んでいます