ゴールデンスランバー (2018):映画短評
ゴールデンスランバー (2018)原作に忖度しない、自由度の高い快作
伊坂幸太郎の同名小説の映画化だが、大胆な脚色で原作とはテイストの異なるサスペンスに仕上がっている。特筆すべき点は多々あるが、真っ先にあげたいのは主人公ゴヌを演じたカン・ドンウォンの演技力だ。ただただ善良という単純なキャラクターにリアリティをもたらし、さらには二役で演じた真逆のキャラにも説得力を持たせる実力には舌を巻いた。また脚色を手がけたノ・ドンソク監督の緩急のある演出と物語の全体像を見渡す俯瞰力が抜群で、鑑賞後の余韻に浸りまくり。ソウルには実はパリのような地下水路があると初めて知るとともに、大都市の一味違う景色をもう一人のキャラクターにしたアイデアに感動。
この短評にはネタバレを含んでいます