映画 少年たち (2019):映画短評
映画 少年たち (2019)「舞台=非日常」と「映画=リアル」の違いを深く考えさせる
少年隊が突然踊り出す1983年の『あいつとララバイ』は、いま考えると正統派ミュージカル映画だった。今作は、ミュージカル部分は演者のステップやジャンプ、周囲の「音」が極力抑えられ、PVを観ている感覚が強い。舞台で効果を発揮したはずの、彼らの生の音による臨場感はない。ある意味、新鮮。その舞台版は未見だが、セリフ回しや間(ま)、セリフ自体、セリフを順番に言う段取りなど、ほぼ舞台的「非日常」の演出は、意図的なのか?
そうした非日常を「ファンが楽しめる」のはともかく、そのファンにこそ映画らしい驚きや生々しさを届けてほしかった、と無い物ねだりしつつ、ラスト15分は斜めはるか上を行き、正直、びっくり。
この短評にはネタバレを含んでいます