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リアム16歳、はじめての学校 (2017):映画短評

リアム16歳、はじめての学校 (2017)

2019年4月27日公開 86分

リアム16歳、はじめての学校
(C) 2017 SCHOOLED FILMS INC., ALL RIGHTS RESERVED

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 5

相馬 学

親離れ・子離れの『(500)日のサマー』的解釈

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 子どもを学校に通わせず、自宅で教育する親の選択が、アメリカでは比較的フツーに受け入れられている。そんな社会を背景にしつつ、母と息子の関係を見つめた本作。

 恋に落ちたことから16歳で初の学校通いを決意した少年と、その選択を受け入れるシングルマザーの物語。息子は息子で負け犬として扱われ、母は母で息子の自立にとまどう。母子ふたりで築いた絆が崩れ、新たな世界が見えてくる。彼らの成長劇は、すなわち親離れ・子離れの物語でもある。

 そんな母子関係をユーモラスにまとめあげた手腕も絶品。『(500)日のサマー』を連想させるリアルな青春ラブストーリーのまとめ方も光る。どのキャラもファニーで愛しい逸品!

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

極めて密度の高い学園映画のヴァリエーション的傑作

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

ジョン・ヒューズからジェイソン・ライトマンまで――とでも系譜付けできる問題系に、カナダから不意打ちのアンサーが届いた。若見えのママと秀才の息子がホームスクーリングから飛び出し、地元公立高校での日常的冒険を繰り広げる。このやや極端な友だち親子のW通過儀礼には、成熟のコードを失った時代の成熟とは何か?という我々にも他人事ではない主題がでーんと横たわっている。

とはいえ本作の白眉は甘酸っぱい初恋の時間の描写で、ライドアウト監督のロマンとリアルの両刀使いが光る。新人ダニエル・ドエニーが本作に続いて主演したNetflix配信作『アレックス・ストレンジラブ』(ポスト『ムーンライト』系)も併せてご覧あれ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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