ザ・バニシング-消失- (1988):映画短評
ザ・バニシング-消失- (1988)究極のバッド・エンディングがスクリーン降臨
長年に渡り、究極のバッド・エンディングと呼ばれてきた怪作が、まさかスクリーンへ! ジョルジュ・シュルイツァー監督がハリウッドに招聘されて撮ったリメイク版『失踪』も、まさかのエンディングを除けば、サスペンス映画として悪くなかったが、このオリジナル版が放つ不気味さは段違い。殺しのシュミレーション(というより、予行練習)や失敗に終わる作戦(というより、ナンパ)など、ユルユルなシーンもあれど、それもユーモアを通り越して、どこか胸糞悪い。そして、「ただ知りたい」好奇心が暴走する男と、そんな彼を煽りまくる歪んだ快楽殺人鬼が対峙するクライマックス。2人の駆け引きは、何度見ても唸らされる。
この短評にはネタバレを含んでいます