王宮の夜鬼 (2018):映画短評
王宮の夜鬼 (2018)ライター3人の平均評価: 3.3
チャン・ドンゴン、ゾンビ時代劇で覚醒!
流行りのゾンビモノと韓流ドラマお得意の王朝モノが融合し、『新感染/ファイナル・エクスプレス』で身勝手すぎるバス会社常務を演じたキム・ウィソンがふたたびムカつく男(しかも、王様)を怪演! とはいえ、キム・ソンフン監督と同性同名の『最後まで行く』監督が撮ったNetflixドラマ「キングダム」と比べると、脚本の薄っぺらさや夜鬼バスターズのキャラ描写の弱さなどが際立ち、やや拍子抜けな部分もアリ。とはいえ、ガジェットの面白さに加え、監督が『コンフィデンシャル/共助』でも組んだヒョンビンVS強すぎるチャン・ドンゴンの新旧スター対決映画として観れば、まずまずの仕上がりといえる。
堂々たる仕上がりの韓流ゾンビ時代劇
韓流時代劇×ゾンビ・パニックというと、おのずと世界的にも傑作と大評判のNetflixドラマ『キングダム』を連想するが、実際に同作との共通点はことのほか多い。陰謀と策略うごめく朝鮮王朝の宮廷、疫病のごとく民衆の間に広がるゾンビ感染、その混乱に乗じて権力奪取を狙う邪悪な策士、そして図らずとも王国の未来を担うことになった未熟な王子。ただ、『キングダム』が痛烈な社会風刺の視点に立っているのに対し、本作はサスペンスとアクションに比重を置いた純然たるエンターテインメントを志しているように見受けられる。そこは評価の分かれ目だが、いずれにせよスケールの大きな歴史怪奇譚として堂々たる仕上がりだ。
トゥーマッチ感を堪能
『新感染ファイナル・エクスプレス』でにわかに勢いづいた韓国のゾンビジャンル。
時代劇とゾンビものと言うだけでも充分成り立つと思うところですが、これに王宮の権力闘争まで盛り込む過剰さが癖になります。いつもならヒーロー側に回りそうなチャン・ドンゴンが王座を狙う野心家の側近を演じ、彼がラスボスになります。大体90分のところで話しが終わってもいいのですが、そこから30分間さらに濃厚なアクションが展開されます。実にトゥーマッチです。