Red (2020):映画短評
Red (2020)原作と異なるラストの“決断”
ひと言でいえば、3人の男性キャラに対し、違った顔を見せるヒロインの不倫話。と同時に、『ジョゼと虎と魚たち』から早17年、今年四十路になる妻夫木聡がガチなオトナの色気を魅せる一作だ。レナード・コーエン(本作ではジェフ・バックリィのカバー)の「ハレルヤ」が流れれば、どんなシーンも劇的に見えてしまうマジックもありつつ、原作とは違う意味で、ヒロインの強さを感じるラストの“決断”は、どこか演劇的で、深い余韻を残す。柄本佑繋がりでいえば、『火口のふたり』にも通じるロマンポルノ的ゆきずり感もあり、奇しくも“赤”繋がりである『赫い髪の女』など、神代辰巳監督作へのリスペクトも強く感じ取れる。
この短評にはネタバレを含んでいます