コンフィデンスマンJP プリンセス編 (2020):映画短評
コンフィデンスマンJP プリンセス編 (2020)ライター5人の平均評価: 3.4
シリーズファンの期待を裏切らない安定のキャラクタードラマ
シリーズのファンなら間違いなく楽しめるし、舞台設定などからも、前作より華やかさが増した。立ち姿の美しい柴田恭兵など、新キャラもいい。
わかりやすい作品なので、シリーズ未見でも楽しめるが、この作品の醍醐味はお馴染みのキャラクターたちの騙し合い。再登場のゲストキャラも多いので、やはりTVシリーズや前作を見た上での鑑賞がお勧め。緻密さを求めず、この世界観に馴染めればハマってくる。お約束となった敵役・江口洋介の騙されっぷりにも味わい深さが増してきた。
ルパン三世的なノリもあるキャラクタードラマだけに、定番の娯楽シリーズとしてどこまで続けられるかを見続けたいし、その先の新展開などにも期待したい。
またもゲストが良い!
「ロマンス編」でモナコ役の織田梨沙がおきゃんな魅力を発揮したように、今回も関水渚、柴田恭兵らゲストが物語を彩るだけでなく、彼らのキャリアの中でも記憶に残るような存在感を見せている。各キャラクターが立っている脚本をはじめ、ゲストを迎える制作陣のチームワークの成せる技だろう。撮影も、前回は物語の設定もあってはりぼて感があったが、今回は実際のリゾートホテルや豪邸を使用しているとあって説得力が違う。映像の力は侮れない。ただ宣伝でも謳っているように今回は”詐欺じゃない”ってことで、なのにまたこんな大掛かりなことをしちゃってよろしくて?とツッコミたくもなる。だが、こんな時代なのでこれもアリってことで。
今度のオサカナはクレイジー・リッチな東南アジアの大富豪
劇場版第2弾の舞台は前回の香港に続いて再び海外。世界有数の大富豪一族を騙すべくマレーシアへ向かった詐欺師ダー子たちが、思いがけずお家騒動に巻き込まれて絶体絶命のピンチに陥るのだが…!?ということで、いやー、いくらなんでもそれ出来過ぎっしょ!というどんでん返しの連続も、これだけ次々に畳みかけられるとむしろ痛快。相変わらず新旧ゲストをこれでもかと動員した豪華キャストもお腹いっぱいです。そして、意外にもしんみりとするラスト。今回は“詐欺”じゃなかったってそういうことなのねと納得しつつ、もはや日本人が豊かさを求めて東南アジアへ行く時代なのね…とも思わせられる。
前作から続く、キャラまつり!
南国リゾートと富豪一族ということで、明らかに『クレイジー・リッチ!』のテイストを狙ったシリーズ2作目。関水渚の浪花節すぎるヒロインや、「エヴァ」の冬月のような柴田恭兵の執事などの新キャラを加え、大風呂敷を広げ、時系列を交差させながら、しっかり収拾させるあたりはさすがである。とはいえ、前作『-ロマンス編-』以上のドンデン返しは不可能なわけで、ありがちな遺産相続モノに収まった感はアリ。ただ、ダー子の七変化やゴッドファーザー赤星のダマされ具合、五十嵐のボケなど、キャラのお約束を楽しむには申し分なく、例の騒動でボクちゃんの代役を務める噂もあったジェシーもいい味出してます。
変わらぬ安心の大逆転
もともと映画の尺が向いている内容でもあるので、引き続き素直に楽しめる第2弾。
テレビシリーズ、そして前作の映画からのメインキャラクターもそろって登場してくれて、ユニバースの広がりを感じます。
もちろんど真ん中にいる長澤まさみ演じるダー子の豪快さがあってこそですが。
前作は織田梨沙という発見もありましたが、今回は関水渚。ダー子と対になる新素材も楽しみの一つになりました。これからも続いてい欲しいシリーズです。