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ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち (2017):映画短評

ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち (2017)

2020年8月7日公開 102分

ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち
(C) Rezolution Pictures (RUMBLE) Inc. Photo by Bruce Steinberg, Courtesy of linkwray.com

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

相馬 学

発展するなら、まじわるべし

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ネイティブアメリカンの血を引くミュージシャンたちの歴史をたどり、彼らが残した功績を称える。が、インディアンの音楽を賞賛するのみにとどまらないのがミソ。

 黒人音楽と結びつくことでブルースやロックンロールを発展させ、その影響はフォークからヒップホップにまでおよぶ。そこに浮かび上がるのは、文化の美しいミクスチャー。背景に異人種婚があることも興味深く、音楽ドキュメンタリーの枠を越えて多くを物語る。

 血が混ざり合うことで若々しい思想が生まれ、文化が混ざり合うことでムーブメントが起こる。“ひとりでこもっていてはダメだ”というR・カスティーヨの言葉は、分断の現代に重く響く。芳醇な秀作。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

米国のポピュラー音楽史をネイティヴ・アメリカン軸で再読する

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

まさに目から鱗の一本でもの凄く勉強になった。確かにブルースやロック、ジャズ、またフォークも、筆者自身「黒人か、白人か」の二元論に囚われてきたように思う。例えばチェロキー族の血を引いていることがよく知られるジミヘンさえ、アフリカ系の方に意識が集中していた。

絶大な影響力を持つ“The Rumble Man”リンク・レイの「放送禁止歌」ならぬインスト曲を看板にしたのは設計の勝利(レイを信奉するMC5のウェイン・クレイマーによりパンクやメタルにまで早々に補助線が引かれる)。そしてR・ロバートソンの「昔はこんな話も余りできなかった」との一言。ルーツミュージックの探求は差別の歴史を巡る旅でもあるのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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