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パーム・スプリングス (2020):映画短評

パーム・スプリングス (2020)

2021年4月9日公開 90分

パーム・スプリングス
(C) 2020 PS FILM PRODUCTION,LLC ALL RIGHTS RESERVED.

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

なかざわひでゆき

ちょっぴりホロっとするお気楽リゾート版『恋はデジャ・ブ』

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 カリフォルニアの風光明媚な避暑地パームスプリングスを舞台に、結婚式に参列した見知らぬ者同士の独身男女が、同じ1日を永遠に繰り返すタイムループから抜け出せなくなってしまう。さながらお気楽リゾート版『恋はデジャ・ブ』。こうなったらタイムループをとことん満喫しちゃえ!とばかりに、主人公たちが思い切り羽目を外しまくるノリの良さが楽しい。とはいえ、もちろん遊びの時間がいつまでも続くわけはない。明日の未来を心配することなく気ままに過ごせるこの楽園にとどまるか、それともたとえ将来に不安があっても元の世界へ戻って人生の一歩を踏み出すチャンスに賭けるのか。ちょっぴりホロっとさせられるチャーミングな作品だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

こんなタイムループなら続いてもイイ!?

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

タイムループを扱った映画は珍しくないが、本作が面白いのはタイムループを“災難”ではなく、“状況”としてとらえている点。

 男は、あがいても無駄と諦めて、この“状況”を楽しもうとし、女は最初こそそうしていたが、行き詰まった“状況”を打破しようとする。そういう意味ではダメ男映画であり、女性の芯の強さが際立つ。タイムループを経験するのがひとりではなく、複数の人間というのも、それぞれの生き方の選択を浮かび上がらせる点で効果的。

さて自分ならどうするか?と考えながら見たが、繰り返すのがこんなにも天気のいい休日ならタイムループも悪くない……と思ってしまうほどに、ダメ男であることを痛感させられた。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

ミレニアム版『恋はデジャ・ブ』!

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

同じ日を生き続ける青年ナイルズがうっかり二人の人間をループに巻き込んだことで、“生きる意味”と向き合っていく。陽気なA・サムバーグが繰り返しに疲れ果てたナイルズの陰の部分を巧みに演じ、忘れたい日に閉じ込められた女性タラとの関係によって変化する心境を見事に表現する。タラ役のC・ミリオティは彼との相性抜群で、SNLメンバーじゃないのが不思議。ナイルズを憎悪する男を演じるJ・K・シモンズは相変わらず達者で、コメディに深みを与えている。未来への希望も夢も閉ざされ、仮に死んだとしても痛みを感じては蘇る。まさに地獄絵のような状況をどう打破するか? SFっぽさも加わったミレニアム版『恋はデジャ・ブ』だ。

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斉藤 博昭

どんな観客も受け入れる、オールジャンル的な楽しさはある

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

「同じ日が繰り返される」設定は、多くの名作があるので特に新味はない。でも、だからこそ安心して身を任せられるし、逆にこの設定が初めての人には、日々の反復を「学習」する主人公の行動を、辻褄を合わせながら痛快に楽しめるはず。
ラブストーリー、コメディ、ちょっぴりサスペンスとアクション…と、過不足なく詰め込んだバランス感も絶妙。ある重要なキャラが、リピート人生の悲哀を切々と打ち明けるなど、不覚な感動シーンも織り込んだりして、まさに映画のオールジャンル、いいとこ取りの贅沢さ。深いテーマに行きそうで行かない点は、主演アンディ・サムバーグの持ち味どおりで、やっと彼の映画の代表作が生まれたのが何よりの喜び。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

お気楽ご気楽、アロハ男

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『恋はデジャ・ブ』を始め、予期せぬ状況に対して、主人公があたふたするのが醍醐味なタイムループ・コメディにあって、お気楽ご気楽なアロハ&短パン男を眺めるのが、新機軸といえる一本。クリスティン・ミリオティ演じる脱力系ヒロインを巻き込んでの掛け合いも、そこそこ楽しめるうえ、下衆すぎる下ネタも満載。そういう意味では序盤は悪くないのだが、次第に楽屋ねたにしかみえない作り手の自信や演者の芝居など、いろんなものが空回りし始め、どんどん突き放されていく。迷彩服で登場するJ・K・シモンズ演じる謎キャラも出オチに近く、語られる人生哲学も浅く思えるほどで、どこか過大評価されている感アリ。

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平沢 薫

タイムループは実は楽しい?!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 予告編で主人公が言う通り「よくあるタイムループもの」なのだが、ひとヒネリあり。何をやってもまた同じ朝に目覚めるループから抜け出そうとするのではなく、むしろその繰り返しを積極的に楽しんじゃうとしたら?という逆転の発想が新鮮かつ愉快。
 そのうえ舞台はパーム・スプリング。日差しはサンサンと降り注ぎ、プールの水は明るいブルーで気持ちよく、その日は友人の結婚式で仕事もなく、何も考えずに楽しく過ごすことができそうな環境が揃ってる。しかし、ずっとそんなふうに生きることは本当に楽しいのか?という意外と深いテーマを秘めているような、いないような。とりあえず楽しむことにした時の2人の暴走ぶりも笑える。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

サムバーグ演じるリラックスした主人公が魅力的

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

同じ日が繰り返されるという設定のコメディは、「恋はデ・ジャブ」から最近の「ハッピー・デス・デイ」まで過去にもあるが、今作も独立したチャーミングな映画に仕上がっている。一番の強みはアンディ・サムバーグ演じる、リラックスした主人公。明日もまた同じという事実を受け入れ、抵抗せずに生きているところが新鮮なのだ。「Saturday Night Live」出身の彼は、いつものことながらフィジカルなコメディも最高。後半の流れには定番的な部分もちらつくが、サムバーグとお相手役クリスティン・ミリオティの魅力で引っ張る。砂漠を背景にしたカラフルなビジュアルも楽しい雰囲気をプラスする。

この短評にはネタバレを含んでいます
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