牛首村 (2021):映画短評
牛首村 (2021)ライター3人の平均評価: 3.7
芋生悠の怪演がとにかく強烈!
清水崇監督による「恐怖の村」シリーズ第3弾。心霊スポットの探検中に姿を消した女子高生。その少女が自分と瓜二つであることから、真相を突き止めるべく北陸へと向かったヒロインは、牛首村と呼ばれる場所に隠された禍々しい秘密を知ることになる。「村」という基本コンセプトの縛りがあるためか、3作目ともなると多少のマンネリ感も否めなくはないものの、血筋を重んじて異質な者を排除する日本古来の因習を恐怖の根源とするストーリーには、日本人の体感に訴える怖さがあると言えよう。何より、本作の最大の収穫は謎の少女を演じる芋生悠!競艇CMの素朴なイメージを根底から覆す凄まじい怪演は圧巻で、他の共演者を完全に食っている。
シリーズで一番かなと
”恐怖の村シリーズ”の3作目。シリーズというからには3作は欲しかったので、ちゃんと作られて良かったです。
何と言っても注目はKōki,でしょう。初演技でいきなり映画の主演、しかもなかなかに難しいホラー映画のヒロイン、さらに一人二役というなかなかのハードルの高さですが、ちゃんと乗り切ったと思います。
描写重視になりがちな清水監督の恐怖描写も今回は物語とのリンクが深くなっていて楽しめました。語り過ぎない恐怖描写がいい塩梅でした。
裏MVPは文字通り心身を張った芋生悠ですね。
初芝居ながら、絶叫クイーンとして大健闘
大谷凜香による冒頭の生配信や飛び降り展開など、もはやシリーズとしてのお約束なのか、ネタ切れなのか分からなくなってきた「村シリーズ」第3弾。相変わらず、ホラーにしては尺が長く、いろいろと説明も多いのだが、本作で大抜擢されたKoki,に関しては、初芝居ながらも絶叫クイーンとして大健闘。彼女が二役を演じる双子をめぐる萩原利久と高橋文哉が演じる男子2人が織りなす青春物語も見どころだ。そして、謎のキーパーソンを演じる芋生悠が放つ不穏な空気感は、さすがの一言。ショックシーンの中では、スケルトン・エレベーターを使った『オーメン2/ダミアン』オマージュがダントツで効いてます。