ADVERTISEMENT

生きててよかった (2022):映画短評

生きててよかった (2022)

2022年5月13日公開 119分

生きててよかった
(C) 2022ハピネットファントム・スタジオ

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

なかざわひでゆき

中年にさしかかった夢追い人の悲哀

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 肉体的な限界を迎えたことから医師に試合出場を止められ、不完全燃焼のまま現役引退を強いられた中年プロボクサー。しかしボクシングだけが生き甲斐だった彼は、他の仕事に就いても続かない。そんな主人公が、売れない俳優を続ける幼馴染をセコンドに誘い、「生きている実感」を求めて危険な地下格闘技の世界へ足を踏み入れる。いわば、何も成し遂げないまま中年にさしかかった「夢追い人」の悲哀を描いた作品。傍から見れば痛いオジサンなのかもしれないが、しかし地べたを這いつくばってでも夢に追いすがる姿は、それこそが「生きる」ということなのかもしれないなと思わせられる。夢のない人生よりも遥かに充実しているのではなかろうか。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

脳内でフラカン流れます

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ロッキー』に憧れ、ボクサーになった男の不器用すぎる第二の人生。劇中、極限まで研ぎ澄まされた肉体美を披露する木幡竜だが、白熱の試合シーンはもちろん、鎌滝恵利との壮絶で生々すぎるラブシーンが泣かせる。一方、『ロッキー』に憧れ、俳優になった幼馴染役の今野浩喜が見事なアクセントになっており、鈴木太一監督の『くそガキの告白』から10年、名バイプレイヤーとしての顔を披露する。王道スポ根かと思いきや、人間の醜い部分や狂気もえぐっていく一筋縄ではいかない展開は賛否分かれそうだが、それをも乗り越える熱量に、★おまけ。観た後は、脳内でフラワーカンパニーズの「深夜高速」が流れるはず。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT