バッドガイズ (2022):映画短評
バッドガイズ (2022)ライター2人の平均評価: 4
クライムムービーのオマージュが激アツ
“ドリームワークス版『ズートピア』”のイメージが強いなか、冒頭の『パルプ・フィクション』なロングショットに始まり、『オーシャンズ』シリーズな強奪作戦、果ては『ワイルド・スピード』モルモット・ミッションな爆走クライマックスと、よりクライムムービーのオマージュが激アツ。2Dと3Dの組み合わせの巧さや畳みかけるテンポの良さもあり、「BEASTARS」の影響もみられる主要キャラクターは動物、そのほかのキャラは人間という、子ども向けにも取れる設定も気にならなくなる。『ジュマンジ/ネクスト・レベル』に続き、オークワフィナの声を吹替えるファーストサマーウイカなど、キャラにハマった日本語版もおススメだ。
独特なビジュアルとスタイリッシュさが魅力
ハリウッドには喋る動物のアニメーション映画が昔からたくさんあるものの、これは最初のシーンからほかと違うと感じさせる。クラシックなスパイ映画ふうの音楽が流れる中、柔らかい日差しが入るダイナーで、悪人であることを自認する主要キャラクターが粋な会話を交わすのだ。ただしそれをやるのは狼と蛇。そこが面白い。ビジュアルも独特にスタイリッシュ。CGに2Dのスタイルを組み合わせるのは、最近ピクサーの「あの夏のルカ」と「私ときどきレッサーパンダ」がやっているが、これも「ルパン三世」や日本の漫画、「スパイダーマン:スパイダーバース」などを思わせる。良いメッセージはあっても、あえて強く押し出しすぎないのもクール。