ハングリー/湖畔の謝肉祭 (2020):映画短評
ハングリー/湖畔の謝肉祭 (2020)ライター2人の平均評価: 3
レザーフェイスがいっぱい!
TOCANA配給による『人肉村』に続く、世界の『悪魔のいけにえ』ファンムービー。今度はレザーフェイスの数で勝負といったところで、中にはブギーマンに見えてしまう輩まで登場。お待ちかねの「晩餐会」では捕らえた獲物に喰らいつくために、鼻下までマスクを上げる姿が虚しさを誘う。しかも、人里離れた湖畔の設定なのに、疾走するクルマが見切れており、そのカットだけでクオリティのヤバさがまるわかり。『屋敷女』や『サランドラ』オマージュのほか、かなり強引なドンデン返しも用意されているが、やはり既視感は強い。できるだけ『悪魔のいけにえ』を離れて、冒頭のイギリス映画らしいポップさで突き進んでほしかった感アリ。
レザーフェイスな一家が、イギリスにもいた!?
『悪魔のいけにえ』直系であることは狂気のカニバリズム一家や、彼らの人面マスク姿からも一目瞭然。イギリスで、こんな映画が作られたことが新鮮。
冒頭の殺りく描写からして容赦ないし、スプラッター指数は恐ろしく高い。奔放な都会の若者に対する田舎の住人のヘイトをベースにしているのは、むしろリメイク『テキサス・チェーンソー』的。同作のリー・アーメイを彷彿させる、ニセ警官の毒舌言葉攻めも緊張感を煽る。
『ザ・マーメイド セイレーンの呪い』をはじめホラーを量産し続けている女性監督L・ウォーレン監督の演出には今回も勢いがあり、脚本の粗さも血のりの量でカバー。ハリウッド的な予定調和を拒否する結末もイイ。